国土交通省では、建設現場の生産性向上を目指し、建設工事における測量、設計・施工計画、施工、検査の一連の工程において3次元データなどを活用する「i-Construction」導入を表明しました。
これまでの建設現場では、「一品受注生産」、「現地屋外生産」、「労働集約型生産」などの制約があり、一般製造業等で進められてきた様々な生産性向上策を導入することは困難であると考えられてきました。トンネル工事などでは、約50年間の間に生産性を最大10倍に向上させていますが、土工やコンクリート工などでは、生産性向上の遅れた部分が残っています。
ドローン等による写真測量等により、短時間で面的(高密度)な3次元測量を実施
3次元測量データ(現況地形)と設計図面の差分から施工量(切土、盛土量)を自動算出。
3次元設計データなどにより、ICT建設機械を自動制御し、建設現場のIoTを実施
ドローン等による3次元測量を活用した検査などにより、出来形の書類が不要となり、検査項目が半減。
3次元の形状情報に加え、材料・部材仕様・コスト情報・時間情報などの
属性情報を持つ建設情報モデル
「i-Construction」では、建設現場において、調査・測量→設計→施工→検査→維持管理・更新の一連のプロセスで構造物の3次元データを共通・共有化する「CIM(Construction Information Modeling:建設情報モデル)」を活用することにより、「見える化による関係者間での合意形成」を促進させ、建設生産システムの効率化や品質の向上化を目指します。また、「建設機械」と「設計データ」や「施工管理データ」をICT技術(Information and Communication Technology:情報通信技術)を全面的に活用することで、「ICT建機」などでの3次元データを活用した施工・検査など自動化・ロボット化による生産性向上が可能になるとしています。
土木工事でも、2008年から「情報化施工」が導入され、施工段階で「ICT」を活用することで高効率・高精度の施工が確認されています。「i-Construction」では、その生産性の50%向上を目指します。
また、「i-Construction」導入の推進に向けて、2016年度から新たな「15の新基準と積算基準」を設定し基盤整備を進めています。
桑原組としても、CIMやドローン、3Dレーザースキャナ、ICT建機の利用を促進し、生産性の向上を独自の視点からも目指します。