平成25年9月15日夜から16日にかけて猛威をふるった台風18号は、滋賀県内ほとんどの地域、京都府、福井県に全国初の「特別警報」を発令させ、いたるところで豪雨災害をもたらせました。
高島市の鴨川は河川の堤防が決壊するという大きな被害を発生させ、床上・床下浸水、道路・橋梁の損壊、田畑の冠水、山間部における多数の崖崩れを発生など、近年にない大きな被害がもたらされました。
水路が氾濫、民家に流れ込まないよう土のうを積む
(マキノ町浦)
橋を越える勢いで流れる石田川
その後、大床橋は落橋(今津町大床)
濁流が流れる中での救助活動(高島出鴨)
道路を流れる木材(高島南鴨)
濁流に押し流された建物(高島南鴨)
濁流が流れる中での救助活動(高島出鴨)
午前3時頃から事務所待機していたところ、5時過ぎに鴨川野田橋下部右岸の堤防決壊との情報を受け現地に急行しました。
濁流は集落を襲い、収穫前の田畑を飲み込み、また自動車や家財道具を押し流すなど、この世のものとは思えない光景が目の前に広がっていました。
決壊を封じ込め本流に流れを戻していかなければ被害はますます広がります。
台風は通過した後でしたが、川の流れは速く水量も多く、重機で川に踏み入ると、10mほど押し流され、操縦席の胸あたりまで水が押し寄せてきました。
そのような危険な状況の中、重機にて決壊場所の築堤応急工事に取りかかりました。
当日は、休日でありましたが、会社あげての応急対応の結果、決壊12時間で応急処置が終了、24時間以内に水をせき止めることが出来ました。
現地には滋賀県知事、高島市長が駆け付け応急工事の模様を視察。
早期に川がせき止められたことにより、下流地域の床上・床下浸水も収まり復旧活動が出来るようになりました。
鴨川の決壊によって濁流が押しよせた南鴨、宿鴨、永田、出鴨地区の集落をはじめ、他の被災した地域からも多くのガレキや粗大ごみが発生しました。出されたごみの量は車載積算量で換算すると3,000トンを超える量となり、その処分が急がれました。
被災ごみの撤去は滋賀県建設業協会高島支部、分別や収集業務には高島市森林組合、高島市一般廃棄物収集運搬事業協同組合の協力・支援で実施されました。
災害発生後の被害を最小限にくい止めるのはもちろんのこと、地域の防災力を同時に高めねばならないと痛感しています。地域は、地域を知るあらゆる人の手で守るものです。
その中で、私たち地元建設業者には、自然と向き合い培った経験や判断力、資機材、人のネットワークを駆使して地域を守るという役割があるのです。
応急工事終了後、復旧工事に着手
決壊した周辺の浸水は人の背を超える高さにまで至った